Webデザインを軽視する謎
フロントエンドプログラマーとして 4 年近く働いてきました。
自分で言うのもアレですが、この 4 年間は仕事でもプライベートでもかなりフロントエンドの勉強をしてきました。
そんな状態で仕事にあたっていると、やはりどうしても現場に対して疑問を覚えることが出てきてしまうのですが。
個人的に 1 番よくわからないのが、会社としてなぜそこまで Web デザインを軽視するのかな、と。
この 4 年間で大小問わず 20 近いプロジェクトで働いてきましたが、プロジェクトごとの Web デザイナーの存在って、ざっくり以下の感じでした。
- Web デザイナーが存在しないプロジェクト: 7 割
- Web デザイナーが存在するプロジェクト: 3 割
- しっかりとした知識を持った Web デザイナーが存在するプロジェクト: 0 割
自分は自分のイメージする Web デザイナーという人に出会ったことが過去一度もないので、Web デザイナーって伝説上の生き物だと本気で思っています。
日本の Google で Web デザイナーで調べてみると、例えば大手転職サービスのFind Job!の記事がトップに表示されます。
この記事によると、以下のように書かれています。
Web デザイナーとは、Photoshop や Illustrator などのグラフィックソフトを使用して Web サイトのデザインをおこない、そのデザインをもとに HTML や CSS などの言語を使用して実際に Web サイトを制作する人です。
えっ、Web デザイナーってコーディングするんですか?プログラマーじゃないのに?
で、もうちょい読み進めていくと、以下のようにも書かれています。
Web デザイナーとして仕事をしていくうえで、HTML や CSS 以外にも JavaScript や PHP などの言語スキルが必要になる場面もあります。自分で調べながら作業を進めることも多いため、HTML や CSS 以外のこれらの言語スキルも自然に身につきます。
えっえっ、Web デザイナーになると JavaScript や PHP のスキルが自然と身につくんですか??
Find Job!レベルでこんな感じなので、結構ゾッとします。
今度はアメリカの Google で Web Designer と調べてみると、CareerFoundry というサイトのブログ記事が引っかかりました。
What Is The Difference Between A Web Developer And A Web Designer?
2019 年の記事なので、比較的新しい記事のようです。
タイトルの通り、Web Developer と Web Designer の違いについて書かれているようです。
Web Developer って日本では馴染みが薄い表現だと思いますが、いわゆるフロントエンドエンジニアとフロントエンドプログラマーのことを指しているようです。
で、この記事は言わずもがな英語で書かれているので、ざくっと書き出してみると、
- Web Developer は車を構築するコンポーネントを使用するための責任を負うことになります
- Web Designer は車のデザイン設計だけでなく、利便性に対しても責任を負うことになります
- Web Developer と Web Designer は素晴らしい製品を作成するために協力して共生関係を築いています
- Web Developer の年間平均給与額は 75,487 ドルでした(2019 年 3 月時点アメリカにおける)
- Web Designer の年間平均給与額は 57k ドルでした(2019 年 3 月時点アメリカにおける)
- Web Developer は HTML、CSS、JavaScript をなどを使用して Web サイトや Web アプリケーションを作成します
- Web Developer は上記以外の言語を使用して、メールサービス、ユーザー認証、データベースなどの技術選定を行う可能性があります
- Web Designer はコードがどのように機能するか知る責任はありません
- Web Designer はデザイン性に富み、ユーザーフレンドリーな Web サイトを作る意識を持たなければいけません
- Web Designer は Photoshop、Illutrator、Inkscape、GIMP などを使用します
- Web Designer は最終的にプロトタイプとワイヤーフレームを作成し、Web サイトのレイアウトを設計します
- Web Designer は情報を制御し、analytics も担当することがあります
ということで、随分と日本の記事と差がありますね…。
特にコード、つまりプログラミング部分については真反対のことが書かれています、恐怖。
ただ自分としては『Find Job!の記事は嘘ばかり書いている!』と言いたいわけではありません、むしろどちらかといえば正しいと思っています。
つまり、日本とアメリカにおける Web デザイナーの立ち位置が異なるため定義も異なる、という話だと思うんですよね。
で、ぶっちゃけ日本の Web デザイナーは、グローバルな目線から見ると Web デザイナーとは到底名乗れないレベルだよなーと。
少なくとも会社から指示されてコーディングをやっているようではアカンよねと、それフロントエンドプログラマーの仕事じゃないの?といつも思います。
最初に書いた通り、Web サービスや Web サイトを作る際に Web デザイナーがいないことはザラであって、むしろ存在しないほうが多いです。
でも普通に考えて、プロトタイプがないのにどーやってコンポーネントを作成すれば良いの?ってなりますよね。
過去何度も書いてきましたが、日本はデザイン性を異常に軽視するため、Web 方面において Web デザイナーが全く育っていません。
加えて、フロントエンドエンジニアもこれまたかなり軽視されがちなため、こちらもほとんど育っていません。
その結果どうなっているか。
会社として Web サービスを作りたい気持ちはあるのだけれど、技術者が育っていないため、いざプロジェクトを進めてもなかなか開発速度が上がらない事態がどこの現場でも多発しています。
なかなか開発速度が上がらないので外部から人を雇って人海戦術で乗り切ろうとしますが、そのエンジニアが果たしてまともな技術力を持っているか判断することができず、結果費用ばかりがかさみます。
そんな中強引にリリースまでこぎつけますが、デザイン性がクソで誰も使わないわ、レスポンシブ対応は行われていないわ、中のコードはぐじゃぐじゃで保守できないわでどーしようもない状態に陥っています。
自分が Web デザイナーの方に求めることと会社が Web デザイナーの方に求めることは毎回かなりの乖離があるため、最近はもう何も言わないようにしています。
個人的に、Web デザイナーの方に求めたいこととしては以下のとおりです。
- ペルソナに対して適切なデザインをしてほしい
- 色やフォントなどは数を制限してほしい
- コンポーネント志向を理解してほしい
- Atomic Design を導入してほしい、導入しない場合はきちんとルールを設けてほしい
- レスポンシブを理解して、各端末の最低解像度でデザインしてほしい
- Figma を使ってほしい
- 共有するファイルの名前を適当につけないでほしい
- ユーザビリティや使いやすさを追求してほしい
- 独自で何かを生み出すのではなく、他のサイトのイイトコを取り入れてほしい
- プロトタイプに対してレビューしてほしい
- コーディングしないでほしい
まぁ、そもそも Web デザイナーが存在しないケースのほうがザラですし、一介のフロントエンドプログラマーの分際で Web デザイナーの方にあれこれ求めることは本当に失礼なことだとも思っています。
なので今後も何も言わないです、経験上、言って得したこともないですし。
ちなみに自分はしょっちゅう FigmaFigma 言ってますが、海外のプロトタイピングツールの比較記事を読んでいくと、ほとんどが Figma を 1 番に推しています。
自分はどれも使用した経験がありますが、Web サービスのプロトタイプであれば Figma がだいぶ抜きん出ている印象です。
とはいえ、XD や Sketch だとアカンと言いたいわけではないです。
コンポーネント志向のもと、きちんとレスポンシブ対応を行ってくれさえすれば、なんだって良いです。
ただ、それを実現するのが一番手っ取り早いのは、今のところは Figma かなーと。
とにもかくにも、Web サービスを作る上でまず雇うべきは Web デザイナーだと強く強く言いたいです。
まずバックエンドエンジニアみたいな現場が死ぬほど多いですが、いや確かに裏方も大切ですよ?でも表方があっての裏方でしょ?と。
恐らく、日本人のあまり表に出ない人間性が、こういうところにも出てるのかなーと感じなくもないです。
表に出る人って、なんとなく叩かれがちですし、陽キャみたいなイメージ持たれますし、表=悪みたいな印象を持っている人少なくないですよね。
が、それって公私混同というか、表面的に使いづらいもの作ってどーすんねんみたいな気持ちはむちゃくちゃ強いです。
日本の Web サービスがグローバルで戦えない理由の 1 つだよなーと、ずーっと思っています。
Web デザイナーもフロントエンドプログラマーも、ぽっと生まれてくるものでは決してありません。
会社がきちんと教育するか、本人が自ら勉強するか、どちらかなわけで。
どこの会社も何故か勝手に成長すると思い込んでいるのが本当に恐怖です。
日本の Web デザイナーとフロントエンドプログラマーって全然育ってないよ?と偉そうな態度ばかりとる上の人間に言ってやりたい。
一部上場の大企業であっても、バリッバリのベンチャー企業であっても、この事実はなーんも変わりません、おんなじです。
なぜ日本から Google が生まれなかったのか、Amazon が Netflix が YouTube が Twitter が Facebook が生まれなかったのか。
理由は 1 つでは決してないと思いますが、Web デザイン面の影響も少なからずあるよなーと個人的には思います。
あと、個人的に素人が Web デザイナーを目指すのって日本ではだいぶ厳しい印象があります。
「Web デザイナーもプログラミングをします」とどこのサイトにも書かれているような状態ですし。
Web デザイナーを目指すためにやるべきことは、CareerFoundry の記事にも書かれている通り、ポートフォリオを作成することです。
Behance や Dribbble をのぞくところから始めて、Figma を触っていくのが良いかもしれないです。
なんかめちゃくちゃ蛇行した記事になっちゃいましたが、深夜のノリということで一つ。